最高裁判所第二小法廷 昭和32(あ)462 決定
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人佐々木清綱の上告趣意第一点は、単なる法令違反の主張であり(強盗に着
手した者が、被害者に暴行を加えて傷害の結果を生ぜしめたときは、財物奪取の目
的を遂げない場合でも強盗傷人罪の既遂をもつて論ずべきであることは、当裁判所
の判例とするところであるから〔昭和二三年(れ)二四九号同年六月一二日第二小
法廷判決、集二巻七号六七六頁〕、原判決には所論のような違法は認められない。)
同第二点は、事実誤認、法令違反の主張であり(強盗傷人罪は、強盗たる身分を有
する者が、強盗の実行中又はその機会において、その手段たる行為若しくはその他
の行為により人に傷害の結果を発生せしめるにより成立する強盗罪と傷害罪との結
合犯であることは、当裁判所の判例とするところであり〔昭和二三年(れ)一六一
七号同二四年三月二四日第一小法廷判決、集三巻三号三七六頁〕原判決挙示の医師
A作成にかかる診断書〔記録一五丁〕並びに原審の証人Bに対する尋問調書〔同二
五六丁〕によると、被告人の暴行によりBは全治約一〇日間を要する前額部擦過傷
及び左前膊中指切創を蒙つたものであることが明らかであるから、原判決には所論
のような違法は存しない)、被告本人の上告趣意は、事実誤認、訴訟法違反の主張
を出でないものであつて、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録
を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により裁判官全員一致
の意見で主文のとおり決定する。
昭和三二年六月五日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 小 谷 勝 重
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裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 池 田 克
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
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