大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)1048 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人弁護士久保田美英の上告理由第一点について。

しかし、原判決によれば、さきに名古屋高等裁判所昭和二六年(ネ)第一〇八号

控訴事件が二審係属中、上告人は請求を附加拡張して買収売渡処分の無効確認を求

めたにかかわらず、右事件の二審判決は、右の請求について裁判の脱漏があり、従

つて右の部分はなお名古屋高等裁判所に係属しているというのである。裁判の脱漏

があり、訴訟がなお係属しているかどうかは、所論のように、事実上、訴訟が完結

したものとされ、そのように訴訟記録が取り扱われたかどうかによるものではなく、

客観的に、当事者の請求とこれに対する裁判との対比において判断すべきは勿論で

あつて、さきの訴訟の二審係属中上告人が請求を附加拡張したにもかかわらず、右

二審においては単に控訴人の控訴を棄却したに止まり右請求について主文に於て判

断を与えていない場合には、右附加拡張の部分については裁判の脱漏があつたもの

というべく、よつて、原判決が、本訴中本件農地の買収売渡処分の無効確認を求め

る部分は二重訴訟であつて、民訴二三一条により許されないとしたのは正当である。

論旨は理由がない。

同第二点について。

しかし本件土地の所有権移転の原因たる土地の買収売渡の無効を前提として右登

記の抹消を求めるのは格別、登記嘱託行為の無効確認を求めるが如きは法律上の利

益がないものといわなければならない。このことは買収、売渡の効力いかんにかか

わりのない問題であつて、所論のように買収、売渡の効力を判断した後でなければ

判断できない問題ではない。

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論旨は理由がない。

同第三点について。

所論各登記の無効確認、三重県知事に対する登記の抹消請求については、一審判

決は訴を不適法として却下し、原判決は一審判決の理由を引用して控訴を棄却して

いるのであるから、所論のように裁判を求めた事項につき裁判をしない違法がある

とはいえない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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