大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)1135 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人Aの上告理由第一点について。

原判決(及び引用の第一審判決)は本件土地は上告人先代の存命中同人より被上

告人B先代に対し贈与下すに至つた経緯を説示して、上告人先代の生前贈与を認定

していること明らかであり、右認定は挙示の証拠に照しこれを肯認することができ

る。原判決に所論のような経験則違背若くは理由不備等の違法はない。

同第二点について。

本件土地が既に上告人先代より被上告人先代に贈与され、現に被上告人の所有に

属し、上告人は所有権を有しないこと明らかである以上、本件土地の買収及売渡処

分の無効なることの確認を求める法律上の利益はなく、また被上告人等の取得登記

の抹消を請求する権利もないとの原判断は正当であつて、論旨引用の判例は本件に

適切でない。つぎに論旨は、自作農創設特別措置法によつて取得した土地の権利移

動等については法律上各種の制限を受けるから、本件登記は是正されるべきである

旨主張するのであるが、所論のような制限を受けるのは所有者たる被上告人であつ

て上告人ではなく、上告人は本件登記によつて何等不利益を受けるものでないから、

登記の抹消を請求する権利があるとはいえない。所論は採用できない。

同第三点について。

本件買収当時本件土地が被上告人Bの所有に属する以上上告人を所有者として行

われた買収処分が違法であることは所論のとおりであるが、本件の場合上告人は本

件買収の違法無効を主張する法律上の利益を有しないのであるから、論旨は結局理

由なきに帰する。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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