大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)1201 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨一、について。

しかし関係証拠資料を仔細に検討しても、本件金銭消費貸借契約上の債務の元本

につき一部弁済でもなされた以上は本件代物弁済契約の予約を失効せしめる合意が

成立して居たことを確認するに足る証拠資料は存しないし、更に原審が本件目的物

件の価格、残債務額を認定、確定しなかつたとしても、その清算とは別個に本件予

約完結権の行使ができる旨の原判示は相当であるから原審に所論違法はない。論旨

は理由がない。

論旨二、について。

論旨は被上告金庫は既に昭和二七年六月に代物弁済予約完結権を行使し得たに拘

はらずこれを行使せず、却つて上告人から本来の債務の履行を受けて居たものであ

るから、右予約完結権を放棄したものであると主張するけれども、かゝる抗弁が従

来提出されていたことは記録上窺はれないのみならず、特段の事情の認められない

本件にあつては、被上告金庫は右予約完結権の行使を上告人の利益のために猶予し

て居たものと推認するのを相当とし、所論の如く権利を放棄したものとするのは相

当でない。論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

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裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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