大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)177 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨第一点について。

論旨は採証法則違背、理由不備乃至理由齟齬を云うけれども、原審の事実認定乃

至証拠の取捨判断を単に非難する域を出るものではない。従つて所論は採るを得な

い。

論旨第二点乃至第四点について。

原審は代物弁済契約の目的となつた土地が昭和一八年一二月当時既に金五万円の

債務を担保するため被上告学園に提供されたものでありその後同一物件を担保とし

て更に金一〇万円借増されたものであるのみならずその大部分につき被上告学園が

使用権を有するものであること、右代物弁済契約は債務者Dが右元金一五万円を弁

済するに代え相当であり又当然であると考え自ら進んで被上告学園に申入れ被上告

学園は之を希望しなかつたけれどもやむなく承諾して成立したものであることを認

定し、右代物弁済契約を有効と判断して居るものであること原判決の行文上明らか

であるから、原審は右代物弁済契約締結当時に於ける右土地の価格が当時の貨幣価

値を斟酌した債権額に略相応しその間に著しい差異はないものと認定する趣意を含

んで居るものであることを看取できないわけではない。従つてその具体的数額を明

示しなかつたとしても原判決に所論違法ありと為すに足りない。

その余の論旨は結局原審の自由裁量に属する証拠の取捨判断を単に論難するに帰

着する。よつて所論は採るを得ない。

論旨第五点について。

論旨は被上告学園の上告人に対する本訴建物収去土地明渡請求はその権利の濫用

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であると主張するけれども、原審認定に係る事実関係の下に於ては到底被上告学園

の右請求権の行使を目して権利の濫用と為し難い(なお、所論事実は上告人の係争

土地の占有が不法である旨の原審判示にそわないものであり、此の点からしても論

旨は採用し得ない)。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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