大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)395 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人荻山虎雄、同浅野義治の上告理由第一点について。

原判決挙示の証拠によれば被上告人側では所論譲渡質入禁止の特約を知らなかつ

た事実を認定することが可能であり、かかる認定をしても経験則に反するとはいい

難い。されば、論旨は理由がない。

同第二点及び第三点について。

本件定期預金債権が既に決済されて消滅したという事実及び本件定期預金債権が

訴外D株式会社に移転したという事実は、いずれも原審において主張されず、従つ

て原審も認定していない事実である。

されば、所論は原判決の認定していない事実に立脚して原判決を論難するもので

あつて、とり得ない。

同第四点について。

原判決は、その挙示する証拠に基き、訴外Eに本件債権質入につき上告会社を代

理する権限はなかつたが、同訴外人は他に右会社を代理して金員を借受け或は手形

を振出す等の行為をする権限を有したこと並びに本件債権質入にあたり同訴外人は

上告会社の社長名を刻んだゴム印及び代表者名義の印章を持参し契約書等に所要の

記名押印を行つたので右契約の衝に当つた被上告会社の役員等は当然同訴外人は右

質入の代理権限を有するものと信じたことをそれぞれ認定した上右代理権限ありと

信ずるにつき正当の事由があつたものと認むべき旨判断しているのであつて、原審

の右事実上並びに法律上の判断に何ら違法の点は認められない。

所論は、独自の見解に立脚して、原審の右適法な判断を攻撃するもので、とり得

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ない。(援用の判例は本件と事実関係を異にし適切でない。)

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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