大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)486 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告理由第一点について。

第一審判決理由中所論の判示は必ずしも所論の「意図」を認めた趣旨と解釈しな

ければならないものではないのみならず、原判決理由中論旨摘録部分は、原判決挙

示の各証拠により所論の「意図」はなかつたものと認定した趣旨と解し得る。

されば、原判決には所論の違法はない。

同第二点について。

原判決確定の事実関係のもとにおいては、「被上告人の実兄D夫婦及び使用人二

名が被上告人居宅からE旅館に移転した事実を考慮にいれてもなお被上告人におい

て本件家屋を使用する必要が俄かに緩和されたと認め難い」旨の原審の判断は正当

である。

所論は、原判示にいう「前記の事実」をもつて兄弟が各別に世帯をかまえて同居

中なる事実のみを指称するものと独断し且つ訴外Fに近く被上告人居宅より退去で

きるという原判示に副わない事実に立脚して原判決を攻撃するものであつて、採る

ことを得ない。

同第三点及び第五点について。

所論は、いずれも、原審が適法にした事実認定を非難するにすぎない。

同第四点及び第六点について。

所論宅地明渡の事実は原判決の明らかに認定するところであつて、原審はこの事

実をも当然考慮にいれて本件解約につき正当の事由ありや否やを判断したものと認

むべく、また原判決確定の事実関係のもとにおいては、原審の右の点に関する判断

- 1 -

は正当である。

されば、原判決には所論のような違法はなく、論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!