大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)522 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人吉岡秀四郎の上告理由第一点について。

D工業株式会社が昭和二六年四月一九日までに買受代金を完済した旨の原判決の

認定は挙示の証拠により是認することができるし、おそくとも右代金の支払により

右会社に本件土地の所有権が移転した事実を認定判示しているものであることは原

判示を前後照合すれば自ら明らかであつて、右のような認定判断がなされている以

上、原判決には所論審理不尽、理由不備等の違法があるものとは言えない。所論は

ひつきよう原審の適法な証拠の取捨判断、事実認定を争い、独自の見解に立脚して

原判決を非難するに帰するもので理由がない。

同第二点について。

本件中間省略登記については、D工業株式会社、被上告人及び東京都の三者間に

合意があつたことは原判決挙示の証拠に照し是認できる。右合意は必ずしも同時に

なされる必要はなく、右中間省略登記が東京都と被上告人との登記申請書によつて

なされたものであることは原判示により自ら明らかであるから、本件登記を有効と

した原判決を所論のような理由によつて違法とすることはできない。所論は独自の

見解に立脚するもので採用できない。

同第三点、第四点について。

しかし上告人は原審昭和三一年七月三日の口頭弁論において、所論三一年六月七

日付準備書面に基いて陳述した上、その第五項は、控訴人の本件土地に対する占有

は適法と主張する趣旨である旨釈明し、他に別段の陳述をしていないことは記録上

明らかであるから、原判決には所論の違法はない。

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同第五点について。

原審認定の事実関係の下では、所論信義則違反の主張を排斥した原判決の判断は

正当である。所論は独自の見解にすぎず採用できない。

同第六点について。

原判決が、上告人の民法二〇五条による賃借権の原始取得の主張に対し、同主張

を認容すべき法律上の根拠はないとしてこれを排斥した判断は正当である。所論は

独自の見解を主張し、ないしは原審で主張判断のない事項につき違法をいうもので

採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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