大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)619 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人松浦松次郎の上告理由について。

民法一一〇条にいう正当の事由の有無を判断するにあたり、第三者において権限

ありと信ずるにつき過失がある場合にこれを肯定しえないことは明らかであるとこ

ろ(昭和一五年七月二〇日大審院判決、民事判例集一九巻一三七九頁参照)、所論

摘録の原審の事実認定ならびにこの点に関する証拠の取捨判断は原判決挙示の証拠

にてらし首肯することができ、原審が右の事実をしんしやくして上告人の過失を認

めたことも是認することができるから、上告人主張の正当の事由の存在を否定した

原判決の判断は正当であり、所論判例も右の判断と牴触するものではない。されば

所論はすべて採用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!