大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)757 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人の上告理由第一点について。

所論は、事実誤認をいうが、原審が適法になした証拠の取捨および事実認定を争

うものにすぎないから、上告適法の理由とならないし、また、判断遺脱をいうが、

原判決は上告人の所論主張事実を認めるに足る証拠がない旨判示し、証人Dの証言

について判断を加えているから、所論は、いづれも採用できない。

同第二点について。

所論は、原判決の錯誤の主張に対する判示に理由不備の違法があるというが、原

判決は、「上告人被上告人間の本件契約に先行する上告人訴外E間の契約に当り、

売主であるEから檜立木は約六、〇〇〇本才数にして一五万才位はあると述べた事

実は認め得るが、同時に、これは売主側の見込数量を参考に述べたに過ぎずして、

右数量を基礎として当事者間に代金額を定めたことはなく、上告人の代理人である

訴外Fは自ら山林を検分した結果推測し得た立木数量により代金を決定して右売買

契約を締結したことを認め得る」とし、上告人被上告人間の契約も右の事情の下に

契約されたものと判示しているのであつて、これによれば、目的物件の数量につい

ては、買手の思惑に任かせる趣旨の契約であつて、特に右数量の存することを本件

契約の内容とした事実は認められない旨判示しているのであるから、上告人が主観

的に本件山林の檜立木が六〇〇〇本以上あり、その才数も最低十五万才あると考え

ていたのに、事実は右数量に充たなかつたとしても、これをもつて上告人被上告人

間の本件売買契約における上告人の買受の意思表示につき要素の錯誤があるという

ことはできない。従つて、原判決に理由不備の違法がなく、所論は、採用できない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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