大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)762 判決

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主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告理由第一点及び第二点について。

論旨は、原判決が「たかし」または「タカシ」と記載された投票一五票を候補者

C1隆に対する有効投票としたのを非難し、候補者C2与兵衛の旧名は「貴」であ

るから公職選挙法六八条の二によつて右一五票は右両候補者の他の有効投票に按分

してその数を両候補者にそれぞれ加算すべき旨を主張するのである。

原判決は右C2が、同人と同年輩若しくはそれ以上の年輩の者の間で時に 「た、

かし」と呼ばれることのある事実を認定していることは所論のとおりであるけれど

も、原判決がさらに証拠に基いて認定するところによれば 「該呼称はむしろ軽侮、

」 、 『 「 」の意味を含んでいることが認められる というのであり 更に C2与兵衛が 貴

と一般に呼称されたのは二十年前のことに属し、本件選挙当時にあつては該呼称が

C2与兵衛の通称を意味するものとは到底認めることができない 』というのであ。

つて、この点について原判決に所論のような理由齟齬または経験則違背の違法は存

しない。従って右一五栗は所論のように按分加算すべきではないから論旨は理由が

ない。

同第三点について。

論旨は、被上告人が乙一号証乃至一三号証を裁決の資料としたのは憲法一五条四

項及び公職選挙法五二条に違反するというのである。しかし原判決の認定するとこ

ろによれば、被上告人が右証拠を裁決の資料に供した事実は認められないというの

であり、そして右認定は原判決添付の裁決書の記載に徴して肯認できるから、右違

憲の主張はその前提を欠き採用することができない。

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同第四点について。

論旨は、原審が乙一号証乃至一三号証の写を訴訟記録に編綴したことをもつて憲

法一五条四項に違反するというのである。しかし原判決は右各証を証拠として採用

しもつて本件投票の効力を判断したものでないことは明らかであるから、所論の点

は原判決の当否とは関係がなく論旨は採用できない。

以上説明のとおり本件上告は理由がないからこれを棄却することとし、民訴四〇

一条、八九条、九五条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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