大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)878 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人小町愈一、同金田哲之、同田口俊夫の上告状記載の上告理由及び上告

理由書記載の上告理由第三点について。

原判決がその引用にかゝる一審判決認定の諸事情に基き、本件貸借を一時使用の

ためのものであると断じた判断は正当として是認できる。それ故所論のうち違憲を

いう点はその前提を欠くものというほかなく、その余の所論は原判示に副わない事

実若しくは独自の見解に基いて原判決の正当な認定、判断を争うに帰するから、す

べて上告適法の理由となし得ない。

同上告理由書記載の上告理由第一点について。

証拠申出の採否は唯一の証拠方法であるなど特段の事由のないかぎり、原審の自

由に決し得るところであるから、上告人申請にかゝる所論の証拠申請を採用しなか

つた原審の措置に所論の違法は存しない。また所論(六)指摘の原判示は、これに

先立つ判示と照合すれば、被上告人が終戦后本件の土地上に鉄筋コンクリートのビ

ルを建築する構想を有し、区劃整理の暁は当初の建物を維持存続させない意思であ

つたもので、乙七号証も右認定の妨げとなるものではない趣旨を判示したにすぎな

いことが窺われ、原審挙示の証拠によれば、かゝる認定を首肯し得ないわけではな

いから、この点にも所論の違法を認め得ない。

同第二点について。

原判決引用の一審判決の判示によれば、本件建物は本来場所塞ぎのために建てら

れた木造バラツク建建物及びその物置を移築したものであるというのであり、所論

の原判示はかゝる由来を経た本件建物の状況を指称するものであることは原判文上

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優にこれを窺うに足り、また証拠申出の採否が原審の裁量に属するところであるこ

とは前叙のとおりで、建物の実状の認定にあたつてはつねに検証若しくは鑑定を要

するものというを得ず、また本件建物の実状についての認定資料としてはD、E、

被上告会社代表者の各供述などが存することは記録上明らかで、所論の検証を目し

て右の点に関する唯一の証拠ともいゝ得ないから、原審の措置に所論の違法は存し

ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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