大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)883 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人篠原一男、同林原吉春の上告理由(第一点)について。

原判決の判示するところによれば、当時被上告人はa村に引き続き居住して生活

の本拠がa村に在ることは村民周知の明白な事実であるにかかわらず、農地委員会

は、耕作権の確立、耕作者の保護にのみ急にして、冷静公平に考えれば、到底不在

地主と認定する理由にならないことの明らかな理由を附して、強いて、被上告人を

不在地主と認定し、本件農地の買収計画の樹立を強行した事実が認められるとし、

本件については「明らかに事実に反する無理な認定の下に、法律に定められた買収

要件に該当しないものを強いて該当するものとして買収計画の樹立を強行した形跡

が窺われる」としているのである。右のごとき事情の下に樹立された買収計画なら

びにこれにもとづいて為された買収処分は明白、重大な暇疵を有するものであるこ

とはあきらかであつて、原判決が本件買収処分をもつて法律上当然に無効であると

判断したのは正当であつて、所論のような違法ありとすることはできない。論旨引

用の判例はいずれも本件と場合を異にして適切でない。

補助参加人代理人庄司進一郎の上告理由(第一点)について。

本件農地買収処分の法律上無効であることは前点説示のとおりである。原判決は

適法左証拠にもとづいて被上告人は当時不在地主でなかつたと判断したものであつ

て論旨は独自の見解にもとづいてこの判断を攻撃するに過ぎず採用することはでき

ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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