大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(あ)1340 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人荒木新一の上告趣意は量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由

に当らない。

職権をもつて調査するに、本件第一審判決は、被告人がAことBに対し、同女が

専ら売淫を行うものであることの情を知りながら、昭和三一年八月下旬頃から昭和

三二年九月一四日頃までの間売淫の身代からその都度三〇〇円ないし六〇〇円を対

価として受けて、被告人の経営する旅館「C」の一室を貸与した事実(同判決判示

第二)およびその他の売春婦六名に対し五日ないし一年余の期間にわたりそれぞれ

対価を受けて同旅館の一室を貸与した事実(同判決判示第一、第三ないし第七)を

認定し、右七個の行為につき福岡県風紀取締条例六条、刑法四五条前段を適用して

処断しているところ、本件記録ならびに当審公判廷に顕出せられた被告人に対する

昭和三一年一一月一二日付略式命令の謄本によれば、被告人は、同日福岡簡易裁判

所において、略式命令をもつて、Dに対し同女が専ら売春を行う者であることの情

を知りながら昭和三一年一〇月二二日午後一〇時頃より翌二三日午前六時頃までの

間売春の身代から六〇〇円を対価として受ける約束で同旅館の一室を貸与した事実

(同略式命令判示第二)等により、同条例六条、刑法四五条前段を適用のうえ罰金

三万円に処せられ、右刑は同年一二月一九日確定したが、右略式命令判示第二のD

と本件第一審判決判示第二のAことBとは同一人であることが認められる。したが

つて、本件第一審判決判示第二の行為中前記略式命令確定の日以前の部分は、確定

裁判を経たものであることが明らかであるけれども、右確定裁判を経た部分は、本

件第一審判決が認定した七個の場所提供罪中の一個の罪の一部にすぎないものであ

るから、これを是認した原判決ならびに第一審判決を破棄しなくても著しく正義に

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反するものと認められない。それ故本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは

認められない。

よつて、同四一四条、三九六条に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決

する。

検察官 玉沢光三郎公判出席

昭和三六年一一月一〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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