大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(あ)2736 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人白川慎一、同稲沢智多夫の上告趣意第一点について。

所論は判例違反をいうが、所論引用の昭和二六年六月一日第二小法廷判決(刑集

五巻七号一二二二頁)は、「もし、被告人に判示弁償金を要求する権利があつてそ

の権利実行の為、本件行為に出でたものであり、しかもそれが権利行使の範囲内に

属することであるとすれば、被告人の本件所為は時に他の犯罪を構成することがあ

つても直ちに恐喝罪に問擬することはできない。」との判示に引続いて、「しかし

また、被告人が単に権利行使に籍口しあるいはこれに仮託して本件行為に出でたも

のであるとすれば該権利の有無にかかわらず、被告人の本件所為は恐喝罪を構成す

るものといわなければならない。」と判示し、また、所論引用の昭和二七年三月七

日第二小法廷判決(刑集六卷三号四五〇頁)は、財物を交付させる手段として他人

を脅迫した者が、これを交付させるにつき正当な権利を有していたとしても、その

行為が右権利の実行としてなされたものと認められない当該案件においては、なお

恐喝罪の成立を免れない旨を判示しているのであるから、所論指摘の原判決の判断

がこれと相反するものとはいえないのみならず、原判決の右判断は、所論引用の右

各判決後になされ、かつ、その趣旨を明確にした当裁判所の判例(昭和二七年(あ)

第六五九六号同三〇年一〇月一四日第二小法廷判決刑集九巻一一号二一七三頁、昭

和三一年(あ)第四六九号同三三年五月六日第三小法廷判決刑集一二巻七号一三三

六頁各参照)の判断に合致しているのであるから、所論は採るを得ない。

同第二は、事実誤認と量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らな

い。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

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よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三四年四月二四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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