大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(オ)1083 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人工藤祐正の上告理由一について。

論旨は原判決は憲法三二条に違反するというのであるが、その内容は一審判決の

違法を主張するものであつて、原判決の法令違背を主張するものではないから、適

法な上告理由とはならない。のみならず原判決は所論の点について判断を与えてい

るのであるから、所論は採用し得ない。

同第二ないし四について。

原判決が本件買収農地は特定されている旨を判示したのに対して、論旨は原判決

添付別紙図面は現地とも相違し、かつ、土地台帳並びに登記所附属図面とも地番が

一致していないと主張し、原判示を非難するのである。

しかし、現地と右の図面及び図面相互の不一致は原審で主張されなかつた事実で

あるのみならず、農地の買収は具体的農地の買収であるから、具体的にどの区域の

農地が買収の対象になつているかが明らかであればその特定において欠くるところ

はなく、原判決の認定によれば本件農地二反七畝二八歩のうち一反七畝二八歩とい

うのは訴外五日市が上告人から借り受け大正三年頃から昭和二一年三月頃まで小作

して来た部分であり、別紙図面表示の赤線で表示された三枚を除いた一〇枚の田が

右訴外人において小作し来つた一反七畝二八歩であつて、本件買収計画に対する意

議、訴願の経過からみて上告人においてこの点を十分に了知していたものとし、右

の区域は事実上特定したものであるのみならず、買収機関たる知事も上告人も買収

令書の記載自体からその買収地域が右一〇枚の田であることを容易に且明確に推知

し得べきものであつたというのであるから、所論は理由がない。�

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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