大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(オ)1105 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

本件上告理由は別紙のとおりである。

上告理由第一点について。

論旨は、原判決は地方自治法施行令一〇〇条の二第二項の「二十日前」の解釈を

誤つた違法があるというのである。

原判決の確定するところによれば、本件投票の期日は昭和三三年三月二九日であ

り右投票期日の告示は同月九日に行われているのである。そして、原判決は、地方

自治法施行令一〇〇条の二第二項に少くとも二〇日前に告示しなければならないと

いうのは、投票期日の前日を第一日として逆算して二〇日目に当る日以前に告示す

べきことを命じたものと解しているのであつて、この解釈は正当である。従つて原

判決が本件期日の告示に違法がないとしたのも正当であつて論旨は理由がない。論

旨は、株主総会招集通知に関する大審院の判例を援用するのであるが、投票期日の

告示とは全く場合を異にし先例とすることができない。

同第二点について。

論旨は、選挙管理委員及び同補充員については、その職務の性質上、指名推薦の

方法によつて選任することを許さない旨を主張するのであるが、地方自治法一一八

条は、広く議会において行う選挙について指名推薦の方法を用いることができる旨

を規定しているのであつて、選挙管理委員及び同補充員なるが故に指名推薦による

選任を違法とすべき理由はない。論旨は、同法一八二条三項が補充員補充の順序を

得票数によつて定めるべき旨を規定していることによつて指名推薦による選任の違

法を主張するのであるが、同項は投票を用いて委員を選挙した場合に関する規定で

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あつて、この規定があるからといつて指名推薦を許さないと解することはできない。

本件のように指名推薦の方法によつて選任した場合には、補充の順序を議会の議決

によつて定めることも違法でないと解するのが相当である。論旨はまた、右委員選

任は議会会議規則に反して午後五時以後に行われたから無効である旨を主張するの

であるが、かかる事実は原審で上告人が主張しなかつた事実である。論旨は理由が

ない。

同第三点について。

論旨は、昭和三二年七月二七日の村議会の選挙管理委員指名推薦は同三三年二月

一日村議会で取り消された旨主張するのであるが、かかる事実は上告人が原審で主

張しなかつた事実である。

論旨は、委員Dは中学校長であるから許可を受けないで就任してもその就任は無

効である旨を主張するのであるが、許可を受けないで就任したことによつて同人が

地方公務員法上の責任を問われることがあつても、ために就任そのものを無効と解

すべき理由はない。

論旨はまた、Dは昭和三三年二月九日委員を退職した旨を主張するのであるが、

原判決の認定するところによれば、当初の退職承認に瑕疵があり同月一三日あらた

めて退職を承認したというのであるから退職の効力は右一三日以後に生じたものと

解すべく同月一二日の議事に同人が関与したのを違法とすべき理由はない。論旨は

原判決の認定にそわない事実を前提とするのみならず、かりに右退職手続に所論の

ような多少の瑕疵があつても、本件賛否投票を無効とすべき理由にはならない。論

旨は理由がない。

以上説明のように本件上告は理由がないから、民訴四〇一条、九五条、八九条に

従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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