大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(オ)1106 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人広沢道彦の上告理由第一点について。

原判決の確定するところによれば、被上告人と訴外Dとの間の本件土地建物の買

戻特約附売買契約において代金の支払は、買主である同訴外人が被上告人の上告人

に対する貸金債務の代位弁済をすることを以てあてる約定であつたところ、右訴外

人においてこれを履行しなかつたため被上告人が右建物につき設定した抵当権は上

告人により実行せられた結果右貸金債務は完済せられ、結局本件不動産の売買代金

は全額未払であるというのである。かくのごとき場合、売主である被上告人が買主

の承継人である上告人に対し契約費用のみを提供して所論買戻権を行使したのは有

効である旨の原判決の判断は正当である。この場合、所論のように買主の債務不履

行を理由として、法定解除権を行使しなければならないものではない。論旨は独自

の見解にもとづき原判決を非難するものであつて、採用できない。

同第二点について。

原判決は、挙示の証拠により本件売買契約締結の事実を認定し「右認定を左右す

るに足る証拠はない。」と判示しているので、上告人の虚偽表示による無効の主張

を排斥した趣旨と解しえないことはない。又上告人は、被上告人が原審において本

件売買につき権利証を紛失したと登記官吏を詐り保証書を提出して不正の登記をえ

た旨主張するにとどまり、これがため右登記が無効である旨主張した形跡が認めら

れないから、原判決がこの点について判断を示さないからといつて、判断遺脱とい

えない。論旨は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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