大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(オ)529 判決

主 文

原判決中上告人敗訴の部分を破棄し、これを名古屋高等裁判所に差し戻

す。

理 由

上告代理人亀井正男の上告理由について。

原判決は、被上告人の予備的請求たる賃料の支払請求につき「控訴人(被上告人)

が本件土地の所有権を取得したことにつき被控訴人は争わないから、賃借人たる被

控訴人(上告人)において控訴人に賃料を支払う義務あること勿論である」として、

控訴人の請求を一部認容し賃料の支払を命じている。しかし、原審昭和三二年四月

一八日の口頭弁論において当事者双方は「原審口頭弁論の結果を陳述」しているが、

上告人は、一審で答弁書により、被上告人の本件土地所有権を認めていたところ、

一審最終弁論において陳述した昭和三一年一一月二八日付準備書面には「原告(被

上告人)は本件土地につき所有権を有たないのであるから、賃料にしろ、損害金に

しろ、これを被告会社に請求し得べきいわれがない又その金額の相当さも争う」旨

の記載があり、結局上告人は被上告人の本件土地所有権を否認した趣旨に解される。

そうすると、右の陳述は自白の撤回に当るものというべきところ、被上告人がこれ

に対して異議を述べた形跡は認められないから、右自白の撤回は有効になされたも

のといわなければならない(昭和三〇年(オ)六一九号昭和三四年九月一七日第一

小法廷判決、昭和三五年(オ)七八三号昭和三六年九月二九日第二小法廷判決参照)。

従つて、原判決は所論のとおり争ある事実を争なき事実とした違法があり、右違法

は判決に影響を及ぼすこと明らかであるから、原判決は上告人敗訴の部分に限り破

棄を免れない。�

よつて、民訴四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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