大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(オ)732 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人板持吉雄の上告理由第一、第二点について。

原審の引用した第一審判決の事実摘示中には、本件土地売買契約の成立の自白の

有無につき明確ならざる記載のあることは所論のとおりであつて、釈明不十分のそ

しりを免かれないが、第一審の昭和二七年一一月一七日の口頭弁論で陳述したもの

とみなされた答弁書並びに同年一二月一七日の口頭弁論で被告(控訴人、被上告人)

訴訟代理人の陳述した準備書面をしさいに検討すれば、結局被告において、本件土

地売買契約の成立を否認する趣旨であることを看取できないことはないから、所論

自白の撤回の問題は生じない。仮に所論のとおり被上告人において本件土地売買契

約成立についての自白の撤回をしたものと解すべきであるとしても、自白の撤回に

ついて相手方の同意がなくとも、相手方が異議を述べた形跡が認められない場合は、

自白の撤回は有効であると解すべきところ(昭和三〇年(オ)第六一九号昭和三四

年九月一七日第一小法廷判決参照)、本件においては、上告人(被控訴人、原告)

が右自白の撤回につき異議を述べた形跡を認めることはできないから、右自白の撤

回は有効であるというべきである。従つて、原判決には、所論の法令違背ないし釈

明義務懈怠の違法はなく、論旨は採用できない。

同第三点について。

原審は、挙示の証拠を綜合して、判示事実を認定したのであつて、右証拠によれ

ばこれを肯認できる。所論は、ひつきよう独自の証拠解釈に基づき原審の専権に属

する証拠の取捨判断及び事実認定を非難するに帰し、上告適法の理由とならない。

同第四点について。

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原審がその最終の口頭弁論期日に、弁論を更新し、当事者双方は従前の口頭弁論

の結果を陳述したことは記録上あきらかであるから、右最終弁論に関与した所論両

裁判官が原判決の評決に関与したことは違法でない。論旨は理由がない。

同第五点について。

上告人は、判決に影響を及ぼすべき重大な事実誤認があつて、原判決を破毀しな

ければ著しく正義に反すると認めるときは、これを上告理由とすることができる旨

の規定を設けない民事訴訟法は、憲法三二条に違反すると主張するが、所論は、原

判決の違法を攻撃するものではないから、上告適法の理由とならない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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