大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和34(あ)2315 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

所論は量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。

弁護人滝内礼作の上告趣意について。

所論は量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。

弁護人林利男の上告趣意第一点について。

所論は単なる法令違反乃至理由不備の違法がある旨の主張であつて適法な上告理

由に当らない。

同第二点について。

所論は憲法三一条違反を主張する。しかし第一審裁判所が懲役刑の執行猶予を言

い渡した場合に控訴裁判所が何等事実の取調をしないで、第一審判決を量刑不当と

して破棄し、自ら訴訟記録及び第一審で取り調べた証拠のみによつて、懲役刑(実

刑)の言渡をしても刑訴四〇〇条但書に違反するものではないことは当裁判所の判

例(昭和二七年(あ)第四二二三号、同三一年七月一八日大法廷判決、集一〇巻七

号一一七三頁参照)とするところであり、しかも本件においては、控訴審である原

審は、自ら証人二名の尋問並びに被告人本人質問等をなしていること記録上明らか

であるから所論の理由のないこと明白である。

同第三点について。

所論は量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。

同第四点について。

所論は事実誤認の主張であつて、適法な上告理由に当らない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

- 1 -

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三五年五月六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奧 野 健 一

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!