大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和34(オ)535 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点について。

論旨中、民法二四八条ならびに同法七〇三条、七〇四条に基づく不当利得の主張

は、原審においてなされた形跡なく、適法な上告理由にあたらない。その他の論旨

は、所論原判示販売先から返品を受けた薬品につき、被上告会社が少なくとも昭和

三一年九月六日以前に他に売却して引渡義務の履行不能に陥つたことを前提とする

ものであるが、この点につき、上告人は原審において、右薬品を被上告会社が昭和

三〇年三月六日までに返品を受け、これを同年二月中に他に処分した旨主張しなが

ら(返品を受ける以前に処分したように主張することの当否についてはしばらく措

き)、右処分した時期の点については、なんらの立証資料をも提出していないこと

記録に徴し明白である。されば、上告人は、所論履行不能となつた時期についての

立証責任を尽さなかつたものというべきであるから、論旨はその前提において欠け

るところがあり、結局、原判決に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背を主張す

るものとは認められない。

同第二点について。

論旨は、本件電話加入権の売却代価一四四、〇〇〇円が直ちにその交換価値であ

るとの見解を前提とするものであるが、電話加入権の譲受人は順次その譲渡人の義

務を承継する結果(公衆電気通信法三八条参照)、右売却代価よりさらに譲渡人の

滞納電話料金等を差し引いた額が当該電話加入権の交換価値と解するを相当とする。

所論指摘の原判示もこの見解に立脚するものと認められるから、原判決には所論の

ような違法はない。論旨は採用できない。

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よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

裁判官藤田八郎は退官につき合議に関与しない。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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