大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和34(オ)611 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人菊池郁二郎の上告理由について。

行政処分に対する出訴につき訴願をその前提要件とするかどうかは、法律の定め

るところに任されているものと解すべきであつて、行政事件訴訟特例法二条が行政

処分に対する出訴につきいわゆる訴願前置主義を採用したことが憲法三二条に違反

するものでないことは、当裁判所の判例(昭和二五年(オ)第一一三号、同二六年

八月一日大法廷判決、民集五巻九号四八九頁)とするところである。論旨は、特に、

訴願制度不備の現状にかんがみ、農地法八五条の訴願については、行政事件訴訟特

例法二条を縮少解釈して、訴願は訴訟と選択的になし得る旨を規定したに過ぎない

と認むべきであると主張するけれども、農地法八五条は、訴願庁を明確に規定し、

訴願期間については、訴願手続に関する一般法たる訴願法の定めるところによるも

のと解すべきであるが、訴願法によれば訴願期間は処分後六〇日とされているので、

農地法に基く処分に対する訴願期間は不合理に短かいものとはいい得ない。従つて、

農地法に基く処分についても、行政事件訴訟特例法二条の定めるところに従い、農

地法八五条による訴願を出訴の要件と解すべきであつて、それが憲法三二条に違反

するものでないことは、冒頭所掲の判例の趣旨に徴し明らかであり、違憲の主張は、

ひつきよう叙上に反する独自の見解に立脚するものであつて、採用のかぎりでない。

また、裁判所法三条が行政処分に対する出訴につきいわゆる訴願前置主義をとるこ

とを許さないとする趣旨でないことは、明らかである。それ故、所論は、すべて採

用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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