大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和34(ク)84 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理 由

抗告代理人山口貞昌の抗告理由第一点について。

憲法三二条は、何人も裁判所において裁判を受ける権利あることを規定したに過

ぎないもので、いかなる裁判所において、裁判を受くべきかの裁判所の組織、権限、

審級等については、すべて法律において諸般の事情を考慮して決定すべき立法政策

の問題であり、憲法には八一条を除くほか、特にこれを制限する規定の存しないこ

とについては、すでに当裁判所大法廷判決の判示したところである(昭和二三年(

れ)二八一号同二五年二月一日大法廷判決、刑集四巻二号八八頁、昭和二二年(れ)

一八八号同二三年七月七日大法廷判決、刑集二巻八号八〇一頁)。されば、昭和二

九年法律一二七号をもつて、民訴三九八条、三九九条を改正し、上告理由書を原裁

判所へ提出せしめ且つ原裁判所は適法の期間内に上告理由書を提出しないときは決

定をもつて上告を却下すべきものとしたからと云つて、右改正規定が憲法三二条に

違反するものということはできない。�

同第二点について。

最高裁判所が抗告に関して裁判権をもつのは、訴訟法において特に最高裁判所に

抗告を申し立てることを許した場合に限られ、民事々件については、民訴四一九条

ノ二に定められている抗告のみが右の場合に当ることは、すでに当裁判所の判例と

するところであつて(昭和二二年(ク)第五号同年一二月一〇日第二小法廷決定、

民集一巻一三頁)、これを変更する要を認めない。

同第三点について。

記録二八六丁の送達報告書によれば、東京地方裁判所執行吏は、上告代理人D宛

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の本件上告受理通知書を昭和三三年一〇月三一日午后三時事務員Eに渡したことが

認められ、反対の証拠がないのであるから、同代理人は同日右通知書を受領したも

のと認めるほかはない。されば所論は、前提を欠き採用し難い。

よつて、本件抗告は理由がないものとして棄却すべく、抗告費用は抗告人の負担

とすべきものとし、主文のとおり決定する。

昭和三七年一月二二日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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