大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和35(あ)1203 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人の上告趣意第一点について。

所論は、違憲をいうけれども、原審が被告人に所論証人に対し審問する機会を十

分に与えなかつたと認むべき証跡は記録上存しないから右違憲の主張はその前提を

欠き適法な上告理由に当らない。

同第二点について。所論は、原審が刑訴三八八条によつて被告人に弁論を許さな

かつたことは憲法一四条一項、三二条に違反する旨主張する。

しかし原審が所論のように被告人の弁論を許さなかつた事跡は記録上なんら認め

られないから、所論違憲の主張はその前提を欠き適法な上告理由に当らない。

同第三点について。

所論は、違憲をいうが、当庁で記録の謄写を許されなかつたことに対し不服を申

立てるに過ぎず、原判決に対する攻撃とは認められないから上告適法の理由に当ら

ない。

同第四点について。

所論は、違憲をいうが、実質は単なる訴訟法違反の主張に帰し、適法な上告理由

に当らない(なお、記録上原審が所論のように被告人が選任の請求をしないのに所

論各国選弁護人を選任した事跡は認められない)。

同第五点について。

所論は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張を出でないものであつて、刑訴四〇

五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

- 1 -

り決定する。

昭和三七年一一月八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!