大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和35(あ)2073 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人足立梅市の上告趣意第一点は判例違反をいうけれども、原判決は、本件シ

ヨルダーバツグが、被害者の事実上の支配内にあつたと認定するについては、所論

の如く、被害者が列車の網棚の上に置き忘れたまま下車してから犯人がこれを不法

に領得するまでの時間が極めて短いという時間的要素のみを標準としたものではな

く、その他の具体的事情をも綜合したものであること原判文上明白である(本件具

体的事情の下において右シヨルダーバツグは右被害者の占有を離れていないと認定

した原審の判断は相当である。)。従つて原判決は挙示の最高裁判所の判例の趣旨

に相反する判断を示したものとは認められず又、挙示の大審院判例は事案を異にし

本件に適切でない。同第二点は、単なる法令違反の主張であつて、いずれも刑訴四

〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものと

は認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により裁判官全員一致

の意見で主文のとおり決定する。

昭和三七年五月一八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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