最高裁判所第二小法廷 昭和35(あ)627 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人風間高一および被告人本人の各上告趣意について。
所論中には憲法三九条後段違反を主張するものとみられる部分もあるが、同規定
は何人も同じ犯行について二度以上罪の有無に関する裁判を受ける危険に曝さるべ
きものではないという根本思想に基ずくものであることは当裁判所昭和二四年(新
れ)第二二号同二五年九月二七日大法廷判決集四巻九号一八〇五頁に判示されてい
るとおりであり、監獄法および同施行規則の規定する懲罰や戒護はもとより刑罰と
同一ではないから、被告人が同法に規定する懲罰を受けた後同一事実に基いて刑事
訴追を受け、有罪の判決を言い渡されたとしても、これをもつて憲法三九条後段に
違反するものということはできない(なお、昭和二七年(あ)第六〇一〇号、同二
八年七月二二日大法廷判決、昭和二八年(あ)第一四四七号、同二九年七月二日第
二小法廷判決、昭和三三年(あ)第二二五八号、同三四年四月九日第一小法廷判決、
昭和三四年(あ)第一七八四号、同三五年三月一〇日第一小法廷判決、昭和二九年
(オ)第二三六号、同三三年四月三〇日大法廷判決参照)。その余の論旨は原判決
の認定しない事実を前提とする単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張を出で
ないものであつて、すべて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。
また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて同四〇八条、一八一条一項但書により裁判官全員一致の意見で主文のとお
り判決する。
昭和三五年七月一五日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 小 谷 勝 重
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裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
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