大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和35(す)222 決定

主 文

本件上訴権回復の請求を棄却する。

理 由

申立人の本件上訴権回復の請求の理由の要旨は、被告人Aに対する前記被告事件

について、当裁判所は昭和三五年四月二五日上告棄却決定をなし、その決定謄本は

申立人に対し同年四月二八日送達せられたから、右決定に対する異議申立期間は、

その翌日から起算して三日間であるけれども、末日である同年五月一日は日曜日で

あるので刑訴五五条三項により翌五月二日まで延長されるところ、申立人は右決定

に対する異議申立書を五月一日午前中に速達郵便にて発送したので、通常の事態な

らば翌五月二日中には最高裁判所に到達受理せらるべき筈であるのに、意外にも、

右異議申立は、期間経過後の申立にかかる不適法のものとして、同年同月二六日付

異議棄却決定(当庁昭和三五年(す)第二〇〇号)がなされ、該決定謄本は同月二

八日申立人に送達せられた、察するに、右異議棄却決定がなされたのは、前記異議

申立書が同月二日までに最高裁判所に到達受理せられなかつたためと思われるし、

そうだとすればこの不到達は申立人の責に帰すべからざる事由によるものであり、

しかも申立人は右不到達の事実を前記異議棄却決定の送達によつて初めて知つたか

ら、ここに異議申立のため上訴権回復の請求に及ぶ、というのである。

しかし、被告人Aに対する強盗被告事件(当庁昭和三四年(あ)第二四二四号)

の記録によると、当裁判所は、右事件について、昭和三五年四月二五日上告棄却決

定をなし、該決定謄本は、同月二七日被告人に送達せられたことが明らかであるが、

右決定謄本が申立人に対し、所論のように同月二八日に送達せられた事実を認める

ことはできない。(申立人は、裁判結果通知のため、右上告棄却決定書の写が申立

人に送達せられたのを、同決定謄本の送達があつたものと誤解していると察せられ

る。)かりに、所論のように、同月二八日申立人に対し前記上告棄却決定謄本の送

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達がなされたとしても、既にその前日である同月二七日被告人に対し右謄本が送達

せられていること前記のとおりである以上、これに対する異議申立の期間は、被告

本人に対する送達日をもつて基準とすべきものであることは、当裁判所の既に判例

とするところである(昭和三二年(す)第三九〇号、同年五月二九日第二小法廷決

定、刑集一一巻五号一五七六頁参照)。いずれにしても、本件においては、前記上

告棄却決定に対する異議申立期間は、右送達の翌日たる同月二八日から起算し同月

三〇日までであり、同日の経過により満了するのであるから、たとえ所論異議申立

書が五月一日発送されたとしても、右は既に期間経過後であつて、その最高裁判所

に対する到達日時の如何を論ずるまでもなく、不適法として棄却を免れない。当裁

判所の昭和三五年(す)第二〇〇号、同年五月二六日付異議棄却決定は、この趣旨

である。所論は、本件異議申立期間の起算日について、右と異なる独自の見解に立

脚して上訴権回復の請求をするものであるから、その前提において失当で採用する

ことができない。

よつて裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

昭和三五年七月六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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