大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和35(オ)1467 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点について。

論旨は、原判決は公職選挙法二〇五条一項、二〇九条一項の解釈を誤つた違法が

ある旨を主張するのである。

しかし、右二〇五条一項にいう選挙の規定とは、主として選挙の管理執行に関す

る規定を指すのであつて、同項は、右規定違反のために選挙の正当な結果が得られ

ていないおそれのある場合に、選挙の全部又は一部を無効とすべき趣旨を規定して

いるのである。本件選挙の当選人決定に際し、訴外Dについて被選挙権を有しない

ものとし、同人を当選人に定めなかつたことが、かりに、所論のように誤りであつ

ても、選挙会の判断の内容に誤りがあるというに止まり、右の選挙の管理執行に関

する規定違反があつたものということはできず、本件選挙を無効とすべき理由には

ならないのである。けだし、選挙を無効として再選挙をしなくても、当選争訟を提

起し当選人決定の更正を得れば足りるからである。

所論同法二〇九条一項は当選争訟に関する規定であつて、本訴が選挙の効力に関

する訴訟である以上関係がない規定である。論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は、原判決は右候補者の住所に関する判断を遺脱しているというのであるが、

同人の被選挙権の有無は、本件選挙の効力に関係がないことは前述のとおりである

から、原判決が所論の点について判断をしないのは当然である。論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

- 1 -

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!