最高裁判所第二小法廷 昭和35(オ)280 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人菅野虎雄の上告理由第一点について。
原審は、売買の目的物の価格等につき所論の錯誤があつたことを認め難いと判断
したものであつて、所論のように、売買の目的物の価格に錯誤があつても法律行為
の要素に錯誤があるというを得ないとしたものではない。
所論は、原審が適法にした前記事実上の判断を争うものでなければ、原判決を正
解しないでこれを攻撃するものであつて、理由がない。
同第二点について。
原判決の確定するところによると、被上告人B及びその他の被上告人ら先代Dは、
両名共有であつた本件鉱業権を、昭和二三年六月二六日上告人に譲渡し、同年同月
二八日便宜上上告人及び被上告人Bの共有名義(Bは代金完済後脱退の予定)に移
転登録を経由したところ、上告人において代金の一部を支払わないので、同年七月
下旬更に上告人との間に、残代金支払等に関し甲八号証の契約書を取交したもので
あつて、右譲渡契約並びに甲八号証の契約中前記D関係部分は、いずれも被上告人
Bにおいて代理締結したものである、というのである。
そして、原審の右判断には、鉱業法の解釈を誤つた点もなく、また所論のような
矛盾も認められない。論旨は理由がない。
同第三点について。
共同鉱業権者が、その内部関係において、該鉱業権に関する税金を共同鉱業権者
の一人において実際上負担すべきことを約定しても、何ら違法ではない。この点に
関する所論はいずれも独自の見解であつて、とり得ない。また、所論契約にDが加
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つているとしても同人関係部分を無効と解すべき理由のないことは、論旨第二点に
つき説示したところから明白である。されば、本論旨もまたすべて理由がない。
同第四点について。
論旨引用の各判例がいわゆる失効の原則を是認したものであることは所論のとお
りであるけれども、本件につき右原則の適用を認めなかつた原審の判断は正当であ
る。論旨は理由がない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 池 田 克
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
裁判官 山 田 作 之 助
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