大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和35(オ)406 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人岩沢誠、同藤井正章の上告理由第一点について

被上告人が発信した所論内容証明郵便が本件土地に隣接せる上告人の賃借地五六

坪に関するものであることは原審の確定したところである。されば、右郵便が本件

土地の売却申込であることを理由とする上告人の主張は、すでにこの点において、

失当であり、右郵便が売却申込であるか申込の誘引であるかは原判決に影響のない

判断というべきであるから、右郵便を申込の誘引であるとした原審の判断説示に対

する非難を主旨とする所論は採用できない。

同第二点について

(一) 原判決を通覧すれば、原審は、被上告人が上告人を含めた借地人に対し

各賃借土地の買取方を申し入れたが、代金の折合いがつかないうち、月余を出ない

で、右申入れを撤回したが、他面、被上告人と右借地人らの集団的話合いで、将来

個別的な接衝によつて価格が定まれば売買契約を締結することとなつた旨および本

件土地については結局売買契約が成立しなかつた旨を認定し、右認定に反する上告

人の主張に添う証拠は採用しえないとした趣旨であること明瞭であつて、証拠排斥

の理由説示としてなんら非難すべき点はみあたらない。(二) 所論証人らが被上

告人と所論のような身分関係にあるとしても、その一事によつて右証人らが証人能

力を有しないとか、証言の証拠価値が薄弱であるとか断ずるわけにはいかない。原

判決の理由不備、採証法則の違背を非難する所論はいずれも採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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