最高裁判所第二小法廷 昭和35(オ)711 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士安永沢太の上告理由は別紙のとおりである。
上告理由第一点について。
論旨は、原判決が「Aさん江」と記載ある投票を無効としたのを非難するのであ
るが、右記載のうち「江」は公職選挙法六八条五号の他事記載とするよりほかはな
く、原判決が右一票を無効としたのは正当である(昭和二九年六月一五日当裁判所
第三小法廷判決、判例集八巻六号一〇八九頁参照)。論旨は理由がない。
同第二点の1について。
論旨は、原判決がC幸夫に対する有効投票とした「C幸太」と記載ある投票の無
効を主張するのであるが、太と夫とは字形も類似しており、右一票は候補者C幸夫
の第四字を誤記したものと認むべく、原判決が同人に対する有効投票としたのは正
当である。論旨は理由がない。
同第二点の2について。
論旨は、原判決がC幸夫に対する有効投票とした「Cとしを」、「C重雄」、「
C重男」と記載ある三票の無効を主張するのであるが、候補者中にC東太郎、同D
重雄、同E俊雄のあることを考慮に入れても、これらの氏名とC幸夫の氏名とを比
較すれば、右三票はC幸夫の氏名にもつとも類似し同人に投票する意思をもつて記
載されたものと認めるのを相当とする。原判決は正当であつて論旨は理由がない。
なお、論旨は、本件選挙と前後して行われた県議会議員選挙にC利雄なる候補者が
あつた旨を主張するのであるが、かかる事実は原審で主張されなかつた事実である。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
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おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 池 田 克
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
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