大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和35(オ)986 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人内野房吉の上告理由一について。

控訴審の判決に事実および理由を記載するにあたり第一審判決を引用しうること

は、民訴法三九一条の明定するところであり、また原判決が措信し難いとした証人、

本人の供述部分は、第一審判決の認定した事実に反する部分と明示しているのであ

るから、原判決には理由不備、理由齟齬の違法は認められない。論旨は採用しえな

い。

同二について。

原判決の引用する第一審判決が、本件契約の貸主を上告人と認めたことは、その

挙示する証拠関係に照して肯認しえなくはなく、また上告人に対する詐欺被告事件

の控訴審判決も、右と同じ事実認定をしていることが認められるから、原判決には

所論の違法はなく、論旨は採用しえない。

同三について。

本件記録によれば、被上告人が合意解除の主張をしていることは明白であるとこ

ろ、合意解除の結果発生した一八○万円の返還時期について、被上告人は合意解除

の日である七月三〇日であると主張したのに対し、原判決の引用する第一審判決は

八月末日と認定していること論旨指摘のとおりであるが、合意解除の事実そのもの

を被上告人の主張に基づいて認定している以上、返還時期について、被上告人の主

張と多少異なる時期を認定しても、当事者の主張しない事実を認定した違法がある

とはいえない。所論不法行為ならびに履行不能による契約解除については原判決の

認めていないところであるから、これが理由のないことを主張する論旨は、対象を

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欠き、判断するまでもない。されば、所論はすべて理由なく排斥を免れない。

同憲法違反の主張について。

論旨は、いずれも原判決に所論の違法あることを前提とするところ、その違法の

認められないこと前述のとおりであるから、前提を欠き排斥を免れない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

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