大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(あ)1264 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人一五名の弁護人小林直人の上告趣意第一点および同第二点は、いずれも、

事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

なお職権をもつて調査するに、当裁判所の判例(昭和三四年(あ)第一一九〇号

同三五年二月二三日第三小法廷判決、刑集一四巻二号一七〇頁、昭和三五年(あ)

第一四三二号同年一二月二三日第二小法廷判決、刑集一四巻一四号二二二一頁)に

よれば、公職選挙法二二一条三項にいう「公職の候補者」とは、同法の規定にもと

ずく正式の立候補届出または推薦届出により候補者としての法律上の地位を有する

に至つた者をいうのであつて、いまだ正式の届出をしない、いわゆる「立候補しよ

うとする特定人」を包含しないものと解すべきであつて、原判決が、第一審判決中

被告人Aに関する部分を破棄し、同条三項を適用処断したのは、立候補届出後の所

為である第一審判決判示第二の所為については、正当であるが、立候補届出前の所

為である同第一の(イ)の所為については、法令の解釈適用を誤つた違法がある。

しかし、原判決は、同被告人に対し第一審判決と同額の罰金刑を科しているのであ

り、右刑は相当であるから、原判決の右違法は判決に影響を及ぼさず、刑訴四一一

条一号を適用すべき場合に当らない。

また記録を調べても、同条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三六年一〇月三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

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裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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