大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(あ)863 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人森川静雄の上告趣意は、量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理

由に当らない。

なお職権をもつて調査するに、当裁判所の判例(昭和三四年(あ)第一一九〇号

同三五年二月二三日第三小法廷判決、刑集一四巻二号一七〇頁、昭和三五年(あ)

第一四三二号同年一二月二三日第二小法廷判決、刑集一四巻一四号二二二一頁)に

よれば、公職選挙法二二一条三項にいう「公職の候補者」とは、同法の規定にもと

づく正式の立候補届出または推薦届出により候補者としての法律上の地位を有する

に至つた者をいうのであつて、未だ正式の届出をしない、いわゆる「立候補しよう

とする特定人」を包含しないものと解すべきところ、原判決の支持した第一審判決

は、判示第一の(1)において選挙告示前であり従つて立候補の正式届出前である

こと明らかな昭和三五年五月二三日における金員供与の事実を認定しながら、これ

に対する法令の適用として同条三項、一項三号を掲げたのは、法令の解釈適用を誤

つた違法があり、右誤りを看過した原判決もまた違法あるに帰するけれども、被告

人のその余の各所為はいずれも同条三項、一項三号もしくは五号に該当し、同条三

項の刑を基準として併合罪の加重をすべきものであるから、結局右違法は判決に影

響を及ぼさず、刑訴四一一条一号を適用すべきものとは認められない。

また記録を調べても同条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和三六年七月一四日

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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