大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(オ)1205 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由について。

原判決の認定するところによれば、訴外Dが上告人の所有地を耕作していたのは

鍬下契約に基づくものではなく、昭和二一年一二月末日までの使用貸借契約に基づ

くものであるというのである。従つて、本件買収計画を定めた昭和二三年当時にお

いては、右の土地は小作地ではなく、これを小作地と誤認して上告人の保有面積を

計算し本件買収処分をしたのは違法といわなければならない。原判決も右買収処分

の違法は認めているのであるが、買収処分が違法であつても、その瑕疵が重大かつ

明白でない以上、無効とはいえないのであつて、原判示のような事情のもとにおい

ては、名寄町農地委員会および被上告人が、前記Dの耕作地を小作地と誤認したの

も無理からぬことであり、そのために上告人の保有面積の計算に誤りがあつたから

といつて、その瑕疵が明白な瑕疵であるとはいえない。原判決が本件買収処分を無

効でないとしたのは正当である。原判決は所論のように、本件買収処分に瑕疵がな

いとしているわけではないのであるから、論旨は、原判決の趣旨の誤解に基く独自

の見解というよりほかはない。

論旨はさらに、本件買収処分の手続に違法がある旨を主張するのであるが、所論

の事実については原審において争われておらず、原判決も認定していないのである

から、論旨は採用の限りでない。

上告人の補充上告理由について。

一、原判決は所論のように、認定に瑕疵がないから処分が無効でないと判示して

いるのではない。

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二、訴外Dがその耕作地を上告人に返還する義務があるかどうかは原判決の当否

に関係がない。

三、四、原判決が、所論のように認定に瑕疵がないとしているのでないことはさ

きに説明したとおりである。

五、論旨は憲法一四条に違反するというのであるが、名を違憲に籍りるに過ぎな

いものと認められる。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

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