大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(オ)1253 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人弁護士黒木盈の上告理由は別紙のとおりである。

上告理由第一点について。

論旨は、原判決が、農地委員会が本件土地についての使用借権または賃借権の有

無を調査したかどうかは、明白な瑕疵の有無の判断に関係がないとし、いかなる理

由で関係がないかを判示していないのは、理由不備であるというのである。

しかし、当裁判所昭和三六年三月七日判決(民集一五巻三号三八一頁)が判示す

るように、瑕疵が明白であるというのは、処分成立の当初から、誤認であることが

外形上、客観的に明白である場合を指すものと解すべきであるから、調査したかど

うかは、行政庁の主観的な判断に関係があるだけであつて、瑕疵の明白性には関係

がない。このことは、原判示から十分にうかがえることであつて、原判決に所論の

ような違法はない。原判決は、所論のように、被上告人Bが事実上耕作していたこ

とだけで、小作地と誤認したことが明白な瑕疵でないとしているのではなく、同人

が耕作するに至つた経過をるる説明した上で、外観上は土地所有者の承諾を得貸借

関係の成立した上耕作している場合と顕著な差異は看取し難いものであつたとし、

本件土地を小作地と誤認したのは明白な瑕疵とはいえないとしているのである。論

旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は、原判決は、当裁判所昭和三三年四月一〇日の判決が支持した昭和三一年

八月三日の東京高等裁判所判決に違反するというのであるが、右の判決の場合と本

件の場合とでは事実関係が同じではなく、原判決が先例に反するとはいえない。論

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旨は理由がない。

同第三点について。

論旨は、原判決は自作農創設特別措置法三条一項一号の小作地の解釈を誤つた違

法があるというのであるが、原判決は、本件土地は小作地ではなかつたと認定して

いるのであつて、所論のように小作地の解釈を誤つた違法はない。

論旨は、本件買収は憲法二九条に違反して無効であるというのであるが、原判決

が本件買収処分が違法であるが無効でない旨を判示したことの当否は、法律解釈の

問題であつて、所論は名を違憲に藉りるに過ぎず採用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

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