大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(オ)1336 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人竹石辰蔵の上告理由第一点について。

第一審判決理由を引用する原判決は、挙示の証拠により、所論の催告並びに条件

付契約解除の意思表示を内容とする内容証明郵便が原判示日時に上告人らの先代D

に配達されたことを確定したうえ、上告人ら主張のように当時Dが肺結核のため安

静度三度の状態にあり、医師から読み書きを禁止されていることをもつては、同人

が意思表示の受領能力を欠いていたものとはいえず、右通知が到達した当時Dが病

気のため現実にこれを了知しなかつたとしても、右通知はDに到達したことにより

その効力を生じたものである旨説示しているのであつて、原審の右判断は正当であ

る。

所論は、独自の見解に基づき原判決を非難するものであつて、採用できない。

同第二点について。

原判示の事実関係(原判決理由を参照)のもとに、被上告人の前主Eが上告人ら

の先代Dに対しなした本件土地売買契約の解除は、権利の濫用にあたらない、とし

た原審の判断は正当である。

所論は、独自の見解に基づき原判決を攻撃するものであつて、採用できない。

同第三点について。

土地の売買契約とともにその土地の賃貸借契約の合意解除がなされた場合に、売

買契約について無効、取消の事由がなく、また、売買契約が債務不履行により解除

された場合には賃貸借契約の合意解除は失効する旨の特約がない限り、債務不履行

により売買契約が解除されれば当然に賃貸借契約が復活するものとはいえない。右

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と同趣旨の原判決は正当であつて、これを非難する論旨は理由がない。

同第四点について。

被上告人の前主Eと上告人らの先代Dとの間で本件土地売買契約が合意解除され

たことは前述のとおりであつて、合意解除の場合には借地法四条二項所定の建物買

取請求権は生じないものと解するのを相当とする。従つて、原審が建物買取請求権

について釈明をしなかつたからといつて、審理不尽とはいえない。

所論は、独自の見解を主張し、その前提を欠くものであつて、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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