最高裁判所第二小法廷 昭和36(オ)378 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人谷村唯一郎、同塚本重頼の上告理由第一点について。
所論は、原審が甲四号証を無視して事実認定をしているというが、原判文上明ら
かなように、同号証の証拠価値については十分判断が示されていて、その判断には
所論不明確な点も矛盾も存しない。所論の実質は、原審が適法に本件土地の賃貸借
を一時使用のためのものと認定したことを非難するに帰着し採用できない。
同第二点について。
原審が本件賃貸借成立の契約書であると判示した所論甲一号証に「右使用料は経
済的変動に因り不相当となつたときは甲乙協定の上、之を増減することが出来る」
との記載があるからといつて、又、同じく所論甲二、三号証に期間を更新すること
ができる旨の約款が明記されているからといつて、本件賃貸借を一時使用のための
ものと認定できない理はない。その余の所論も、結局原審の証拠の取捨、事実の認
定を非難するに帰し、原判決には所論審理不尽、理由不備は存しない。
同第三点について。
原判決は、契約証書のみによつて本件賃貸借を一時使用のためのものと認定判断
しているのではないこと判文上明らかであり、原審が判示諸般の事情を認定の上一
時使用の賃貸借と判断している点は首肯できるところであつて、原判決には所論大
審院判例に反する点はない。
所論その余の点についても、原審は斟酌考慮を尽した上、判示判断をしているこ
とが判文上窺えるから、挙示の点に審理不尽、理由不備ありとする所論も採用でき
ない。
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同第四点について。
原判決は、所論法人設立登記の遅れた一事を以て所論組合が昭和二五年一一月上
告人Aを代表者として本件土地を借り受けた事実なしと判示してはいない。所論は、
前提を欠き採用の余地がない。
同第五点について。
本件契約条項が借地法の所論規定を回避し若しくは脱法的に定められたとの所論
は、原審で主張判断を経ない事項にかかるものであり、その余の論旨は、借地法九
条及び同法一一条に関し独自の見解を主張して原審判断を非難するに過ぎず、いづ
れも採用できない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 池 田 克
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
裁判官 山 田 作 之 助
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