大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(オ)560 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人佐瀬昌三の上告理由第一点について。

原審が、検証の結果投票箱の外蓋につき掛金の一方が破損して施錠不能の状態に

あつたことを認定したことは所論のとおりである。しかし原審は更に進んで「外蓋

を開くとその内側に木製で中央三個所に鋼鉄製の投票用紙さし込み用の穴のある板

を取付けた内蓋があり、内蓋と箱にかけ縦側の両側各一個所に施錠の設備があり、

右外蓋にも内蓋にも、これらと箱にかけて多数の紙片をもつて封印を施した形跡が

あること」等を認定しているのみならず、開票に着手してから終るまでの投票箱保

管の状況についても詳細に説示し、その認定の下に原告ら主張のように不正投票が

多数混入して右選挙の結果に異動を及ぼす虞があるとの事実を肯認することはでき

ないと判示しているのであつて、右判示は首肯できる。所論は採用できない。�

同第二点について。

原判決は、被告がDの有効投要と裁定したものの中に、Dの手記と同一筆蹟と認

められるもの二票、何人かの同筆と認められるもの二票ずつ二〇組存することがう

かがわれるけれども、右事実だけでは未だ原告ら主張のような多数の不正投票が混

入したことを認めることはできないし、他にこれを認め得 証拠はないと認定判示

しているのであるから、この上所論のように多数の不正投票が行われなかつたとす

る理由と根拠を明確にする必要はないものと謂わなければならない。所論は採用で

きない。

同第三点について。

原判決は鑑定人Eの鑑定の結果に基いて上告人主張の投票中五六三票は成規の投

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票用紙と認定しているのであつて、所論は要するに原審の証拠の取捨選択を非難す

るに過ぎない。なお所論は原判決は上告人が提出した甲号証に対する判断を遺脱し

たというが、原審の口頭弁論調書によれば所論の甲号証は提出した形跡が認められ

ない。所論はいずれも採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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