大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(オ)696 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人藤原繁夫の上告理由は、本判決末尾添付の別紙記載のとおりである。

右上告理由第一点について。

原判文を通読すれば、原判示にかかる所論「賃料」とは、従前の土地の地積によ

る約定賃料を意味するものであることを容易に了解できる。

そして、換地予定地指定の結果、賃借人たる被上告人が従前の土地の使用収益を

禁じられ、換地予定地を使用収益すべきことになつたとしても、これによつて従前

の土地の賃貸借契約そのものが消滅に帰したわけではなく、その約定賃料もまた換

地予定地の地積如何により当然増減すべき筋合のものではないから、被上告人とし

ては、依然、従前の土地の地積による約定賃料の全額を弁済すべき義務を負うとと

もにその利益をも有するのであつて、もし、上告人においてその受領を拒むならば、

上告人はいわゆる受領遅滞の責を免れない。(これを受領すると、換地予定地につ

き従前の土地同様の地積の使用収益を承認したことになる、という上告人の所論は

独自の見解であつて、これを以て受領拒絶の正当の理由とは認め難い。)

されば、原審が、証拠に基き、上告人は昭和二五年度以降分の約定賃料につき受

領拒否の意思明確であつたと認定し、被上告人が提供を省略してした右賃料の弁済

供託を有効と判断したのは、何ら違法ではなく、論旨は理由がない。

論旨引用の判例は、いずれも事案の態容を異にし、本件に適切でない。

同第二点について。

本件換地予定地の地積如何に拘らず、被上告人が従前の土地の地積による約定賃

料を弁済すべき責務と利益を有することは、前説示のとおりであるから、被上告人

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が上告人に対し右賃料全額の受領を求めても、何ら背信行為にあたらない。論旨は、

この点につき独自の見解を主張して原判決を論難するものであつて、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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