大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(オ)882 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人山本敏雄の上告理由は、本判決末尾添付の別紙記載のとおりである。

右上告理由一の(1)(2)について。

記録によると、訴状請求原因第一項記載にかかる所論売買予約の主張は、昭和三

一年一月二八日の第一審口頭弁論期日において、被上告人により、買戻約款付売買

の主張に訂正されているのであつて、以後上告人が右訂正に異議を述べ或は売買予

約完結の意思表示の有無を争つた形跡は全く認められない。そして、原判決は、証

拠に基き、被上告人主張の右買戻約款付売買の事実を認め、ただその仮登記は、売

買予約を原因とする所有権移転請求権保全の仮登記の形式によつてなされた、と認

定しているにすぎない。

それ故、論旨が、所論売買予約の成立を前提とし、右予約完結の意思表示欠缺に

より所有権移転の効力を生じない旨主張するのは、結局、原判示にそわない事実を

前提とし、原審において争われなかつた事項を新たに当審において争うものであつ

て、到底採用し得ない。

同(3)について。

不動産売買により既に所有権の移転がある結果、不動産登記法二条一号の仮登記

をすべき場合に、売買予約を原因として同条二号の仮登記がなされても、右仮登記

は順位保全の効力において何ら欠けるところはないものと解するのが相当である。(

最高裁判所昭和二八年(オ)第一七八号、同三二年六月七日第二小法廷判決、民事

判例集一一巻六号九三六頁)。

これと相容れない見解に立脚する論旨は、採用できない。

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同(4) について。

論旨は、原審が適法にした事実の認定を非難するに帰するものであつて、採用の

かぎりでない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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