大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(オ)934 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人田崎文厚の上告理由について。

原判決およびその引用する第一審判決は、被上告人の夫Dが、税金対策から、妻

である被上告人名義で手形金の取立をなさしめるため、白地裏書で譲り受けた本件

約束手形の被裏書人として被上告人の名を補充し、これを被上告人に交付し、もつ

て取立委任の目的で被上告人に対し本件手形を信託的に譲渡したことを認定し、し

かし、これだけでは信託法一一条にいわゆる「訴訟行為ヲ為サシムルコトヲ主タル

目的トシテ」信託のなされた場合であるとはいえず、他に同条の違反あることを認

めしめる事実の立証がない旨判示しているのであつて、確定事実のもとにおいて、

右判断は正当として肯認できる。

所論は、取立委任の手形譲渡が当然同条違反になるとの独自の見解を主張するも

のであつて、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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