大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(オ)990 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人市原庄八の上告理由一について。

原判決の所論判示認定は、証拠関係からこれを肯認し得るところであり、この点

の論旨は、原判決の適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、ま

た記録に徴するに、控訴代理人は原審第三回口頭弁論期日に証人Dの尋問申請をな

し、同じく第四回口頭弁論期日に裁判官の過半数に更迭があつて、弁論が更新され、

次いで同期日に右証人尋問申請が却下され、弁論が終結されたこと、原審において

は、同証人の尋問は一度もなされなかつたが、第一審においては、同証人の尋問が

なされ、かつ、原判決が右証言を認定の資料に供していることが明らかであるが、民

訴一八七条三項は同一審級における証人の再尋問に関する規定であつて前述のとお

り原審においては、証人Dの尋問は一度もなされなかつたのであるから、原審が右

証人尋問申請を却下しても、右証人は同条項の「従前訊問ヲ為シタル証人」の尋問

申請を却下したことに該当しないので、既にこの点において原審の右措置は、同条

項の違反ということを得ず、また第一審において同証人の尋問がなされているにか

かわらず、原審が同審における同証人の前記尋問申請を却下し、第一審における同

証人の証言を事実認定の資料に供しても同条項に違反するものではなく、そして当

事者の申出た証拠方法については、唯一の証拠方法の場合を除き、審理の経過から

見て必要がないと認めるときは、その取調を要しないのであるから、原審が右証人

尋問申請について、その必要がないものとして右申請を却下して判決しても、原審

の右措置に何等の違法は存しない(最高昭和二四年(オ)第九三号、同二七年一二

月二五日言渡、第一小法廷判決、民集六巻一二四二頁参照)。従つて、原判決に所

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論の違法は存せず、論旨はいずれも採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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