最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)106 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告人ら代理人森時宣の上告理由一、二、三について。
一審において上告人ら訴訟代理人森時宣が昭和三五年四月二五日附準備書面を提
出し、右準備書面には上告人ら主張の如き記載があることは、所論のとおりである
けれども、右準備書面は一審の口頭弁論期日に陳述されなかつたことが記録上明ら
かであり、(なお、上告人ら代理人は被告らにおいて右準備書面の陳述の機会がな
かつた旨主張するけれども、本件記録によれば、一審の昭和三五年四月二八日第五
回口頭弁論期日には被告ら(上告人らを含む)代理人森時宣は出頭しており、陳述
の機会はあつたわけである。)そして、一審判決事実摘示欄には、所論の如く「被
告A1外九名訴訟代理人……は答弁として、原告主張の土地が原告の所有であるこ
と……は認める」旨記載があり、控訴審において、昭和三五年(ネ)第一六七三号
事件第三回口頭弁論期日に出頭した控訴人(上告人)A1代理人森時宣、控訴人D、
被控訴人(被上告人)代理人岩村隆弘は、原判決(一審判決)事実摘示のとおり第
一審口頭弁論の結果を陳述したことは本件記録上明らかである。このような本件に
あつては、原審に所論の如く控訴人らが右準備書面記載の主張事実を維持するか否
か釈明を求め其の主張を確かめることの義務は何等存在しないものと解するのが相
当である。�
所論は、ひつきよう、独自の見解に立つて、原判決を非難するものであつて、原
判決に所論の違法は存せず、論旨は採るを得ない。
同一、二、四について。
所論は、原判決の憲法三二条違反を主張するけれども、その実質は、単なる訴訟
- 1 -
法違反を主張するに帰し、右違憲の主張はその前提を欠き、採るを得ない。而して
原審における昭和三六年七月一七日第五回和解、弁論期日において控訴人(上告人)
A1、同A2ら代理人森時宣が所論の如く主張陳述をなしたことは記録上うかがわ
れず、また前述の如く本件土地の所有権は被控訴人(原告、被上告人)に属するこ
とについては、当事者間に争いがないところ、本件記録によれば、所論の如く人証
の申出があつたことは認められるが、右人証のうち証人E、同Fの立証事項は、本
件土地の所有権の帰属に関するものであることがうかがわれ、控訴人本人A1の尋
問申請については、訊問事項書の提出がないので右各人証の申出につき、原審がそ
の取調をなさなかつたことにつき毫も所論の如き違法は存しない。�
所論は、その主張の前提を欠くかまたは独自の見解に立つて、原判決を非難する
に帰し、原判決に所論の違法は存せず、諭旨は採るを得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判官 奥 野 健 一
裁判官 山 田 作 之 助
裁判官 草 鹿 浅 之 介
裁判長裁判官池田克は退官につき署名押印することができない。
裁判官 奥 野 健 一
- 2 -