大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)1412 判決

主 文

本件上告人らの上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告人A1の訴訟代理人名尾良孝の上告理由第一点の一について。

論旨は原審の経験則違背、民訴法二五七条違背をいうが原判決に所論違法は存し

ない。所論は、ひつきよう、原判決が詐欺による意思表示の取消を正当に判断した

ことについて、原審認定外の事実に基づくか、ないしは独自の見解に基づいて異を

唱えるに過ぎず、採用できない。

同二について。

所論権利濫用の主張は、原審で主張判断を経ない事項であるばかりでなく、原判

決認定の事実関係のもとで被上告人の本件意思表示の取消を権利濫用と解する余地

はないから、所論は採用できない。�

上告人A2の訴訟代理人森鋼平の上告理由第一点第二点について。

所論は、原判決の経験法則、慣習上の法則違反、理由不備ないし理由そごをいう

が、ひつきよう原審の専権たる証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰着し、

原判決には所論違法は存しない。挙示の大審院判例は本件と事案を異にし、所論は

すべて採用できない。

同第三点について。

所論は、原判決が代地の売買予約を認定判断したことについて、証拠の取捨、事

実の認定を非難するが、これは、原審の専権事項を云為するに過ぎず、採るに足ら

ないし、売買予約完結権をいう論旨は、原審で主張しない事項を掲げるものである

から採用の限りでない。従つて右予約完結を前提として原判決に審理不尽ないし理

由不備があるとの所論は、すべて採用できない。

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同第四点について。

所論は、原審裁判長が所論準備書面に基づく上告人の陳述を抑制し、結局原審は

上告人をして控訴の趣旨を充分に陳述させず、従つてこれに対する審理を何もしな

いで上告人を敗訴させたというが、記録上所論裁判長の陳述抑制の事蹟は見当らず、

記録ならびに原判決の判文に徴するに、原審は所論控訴の趣旨とするところについ

ては十分審理を尽し判断していることが明らかであるから、所論違法はなく、結局

論旨は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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