大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)204 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人馬渕正己の上告理由第一点について。

原判決の所論認定は、挙示の証拠関係から是認できる。論旨は、原判示にそわな

い事実を前提として、原審の裁量に委ねられた証拠の取捨判断ないし事実認定を非

難するもので、採用するを得ない。

同第二点について。

原判決が確定した事実によると、上告人は、原判示金額四〇万円の約束手形を振

り出してこれを被上告人を代理するDに交付したとき、右Dの求めに応じて右手形

に接続して印刷されていた右手形金債務を目的とする準消費貸借を締結することお

よび右準消費貸借債務不履行の場合の強制執行受諾条項を含む公正証書作成を委任

する旨の受任者欄白紙の委任状に署名捺印し、自己の印鑑証明書とともにこれを任

意にDに交付し、よつて右Dにおいて、右委任状・印鑑証明書を利用し、自ら上告

人の代理人となり、被上告人の代理人訴外Eとの間に、前記準消費貸借契約を締結

するとともに広島法務局所属公証人Fに嘱託して本件公正証書の作成手続をなした

ものであるというにある。このように、執行受諾条項を含めて当事者間の合意をも

つてすでに決定されていた内容どおりの契約を締結してその旨の公正証書を作成す

る場合は、当事者間になんら新たな契約条項を決定するものではないから、この場

合における所論Dの代理関係について民法一〇八条本文の法意に反する点はないも

のと解するを相当とする(最高裁昭和二四年(オ)第一五九号、何二六年六月一日

第二小法廷判決、民集五巻三六七頁参照)。論旨は採用しえない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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