大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)304 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人石川惇三の上告理由について。

原審が、当事者間に争いのない事実並びに原判決挙示の各証拠により認めうる事

実として、被上告人(被控訴人)が昭和三五年八月九日頃到達の内容証明郵便を以

て上告人(控訴人)に対し、同年七月分までの延滞賃料として一二万一四八円を同

年八月一五日までに支払うよう催告をしたこと、上告人の右延滞賃料は、一ヶ月五

〇八円の割合による昭和二五年一二月分までの未払賃料一七〇〇円、昭和二六年一

月分から昭和三五年七月分までの未払賃料五万八四二〇円合計六万一二〇円であつ

て、前記催告は延滞賃料を六万二八円超過した過大な催告であること、被上告人は

昭和二五年八月一日上告人に対し、統制賃料額の増額にともない、本件建物の賃料

額を統制賃料額の範囲内である一ヶ月五〇八円に増額する旨の意思表示をしたとこ

ろ、上告人は右値上げには応じられないとして、同年一二月分までは従来の賃料額

一ヶ月一六八円の割合による金員を被上告人に支払つたのみで、その後昭和二六年

三月分まではその支払をしなかつたのであるが、同年四月施行のa町々会議員選挙

に際し、被上告人が上告人の選挙運動を妨害したとして、その後の賃料も支払わず、

被上告人からの賃料支払の請求に対しても、右選挙妨害を口実に賃料は絶対に支払

わない旨放言するに至り、上告人においては被上告人の前記催告にかかわらず延滞

賃料を全然支払う意思がなかつたこと、被上告人において右過大催告をするに至つ

たのは、賃料増額についての法律解釈の誤りと誤算にもとづくものであること、を

判示した上、被上告人において上告人が前記催告賃料の全額を提供しなければ受領

を拒絶する意思であつたものとも認め難く、右催告の過大なことと上告人が賃料支

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払に応じなかつたこととの間に因果関係がなかつたものと考えられる状況に在つた

ものと認められるから、右催告は解除の前提要件として前記正当な延滞賃料額の催

告としての限度において有効というべきである旨判断したのは正当である。

所論は、独自の見解に立脚し、原審の認定にそわない事実にもとづき原判決を非

難するものであつて、採用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

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