大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)410 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人井上義男、同鈴木俊光の上告理由第一点について。

所論挙示の原審認定は、原判示の証拠関係に徴し、すべて肯認できる。所論は、

原審において主張なく従つて認定もない民法一〇八条違反の事実を以て、原判決の

法令違背をいうものであつて、採用できない。

同第二点について。

所論は、譲渡担保において当事者の意思が分明ならざるときは内外部ともに所有

権が権利者に移転すると推定すべきであるとの大審院判例を引用して、原判決の理

由不備をいうが、原判決は、本件譲渡担保契約にあつては被上告人と上告人の内部

関係において所有権を被上告人に留保する趣旨の合意が黙示のうちになされたと認

定判示しているのであるから、論旨はすでに前提を欠くものというべく、採用の限

りでない。

同第三点について。

所論は、原判示の明渡請求を以て譲渡担保の目的物件の処分権行使に当るとの前

提に立つて原判決の理由そごをいうが、右前提は独自の見解に過ぎず、所論は前提

を欠き採用できない。

同第四点について。

所論は、原判決が認定した金員送付による履行の提供を不適法とする前提に立つ

が、右前提論は独自の見解に過ぎず、結局民法四九三条の適用の誤りをいう所論は

採用できない。

同第五点について。�

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原判決が所論挙示の認定事実関係のもとで信義則違反ないし権利濫用であると認

められないとした判断は、首肯できる。上告人が被上告人に対し本件家屋の明渡を

求めていた事実を以て、上告人が被上告人に対する本件貸金債権の回収につき懈怠

ありとの原判決の判断に理由不備ないし理由そごがあるという所論は、独自の見解

に基づくものであつて採用できない。�

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

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