大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)447 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を東京高等裁判所に差し戻す。

理 由

上告人の上告理由第一ならびに上告代理人萩原由太郎の上告理由第一、二点につ

いて。論旨は、本件手形が被上告人に裏書譲渡されたのは昭和二七年五月三一日で

あるとの原判決の事実認定を非難し、一方的にE証言を採用し、甲一号証の二、三

の記載を無視しているのは、論理および経験則に違反し、理由不備の違法がある、

という。

よつて案ずるに、原判決が採用している甲一号証の二(振替伝票、記録二四丁)

は、所論破産会社が昭和二七年六月七日訴外Dから本件手形を受取り即日被上告人

に対する借金の内払として同人に交付したことを示しているし、同じく振替伝票で

ある甲一号証の三(記録七〇丁)は、破産会社が同年六月二日に被上告人に対し借

入金一〇〇万円に対する五月二六日から六月四日までの一〇日間の日歩三〇銭の割

合による利息として三万円を支払つたことを示している(なお、E証言およびF証

言も、これを裏書している。)。右書証によれば、他に特段の事情のない限り、本

件手形の被上告人への裏書譲渡の日特は六月七日と認定するのが相当と言わざるを

えない。�

書証の記載およびその体裁から、特段の事情のない限り、その記載どおりの事実

を認むべきである場合に、なんら首肯するに足る理由を示すことなくその書証を排

斥するのは、理由不備の違法を免れない(昭和三二年一〇三一日最高裁判所第一小

法廷判決、民集一一巻一〇号一七七九頁参照)ところ、原判決は、被上告人と親交

のあつた破産会社の専務たるEの証言のみを措信し、前記甲一号証の一、二の記載

を、理由を示すことなく無視しているのである。この点において、原判決には理由

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不備の違法があるものというべく、論旨は理由あり、原判決を破棄し、原審に差し

戻すべきものとする。�

よつて、その余の上告理由に対する判断を省略し、民訴法四〇七条一項に従い、

裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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